遊歩百景

書き物をします。

紅に散りゆく命は

この斜陽に染められたの?

手に入れ得ないものを欲して

憧憬の炎に燃え


恋情は墨のそれに如く

妖艶な疼痛を蒔いて走り

酔いしれる感情と意識に

己が美を想わせ染む


さあでは

私の身はどのような色味を

映じているでしょう?

うつせているでしょうか?

あなたの色を少し


ぴんと張る糸を爪先で弾き

いっそとなんて考えてしまう

きっと誰も哀しい思いで

なのに馬鹿だと笑っておくれ


凛然と肌を舐める風に

か細い身をふるわせて

最後に触れた吐息の熱を

ただ恋焦がれる


ええそれは

底意地の悪いえ覚めない夢

与えちゃくれないくせに

離れるほど鮮烈に

裾をひいてくる


ぱっと目を伏せる一瞬の隙に

真っ黒い影がその深さを増す

狂わせておくんな 何も分からないほどに

そんな何度目か知れないことを思い眠る


あっと言う間に時代は

さっと命を転がしてしまい

やっとの思いでその身にうつした

色も憧憬さえ死んでゆく

Trick or Trick

Tick-tack, tick-tack

夜の足音がするよ

ちっちゃい影が

バスケット手にさまよいだすころ


Knock-knock, knock-knock

ドアを叩いてはいないよ

隣にもういるよ

揺れる尻尾に気づいた?


身体が熱く痺れるでしょ?

キャンドルの火が溶かす特製のアロマ

知らない夢を見せてあげよう

指をならせばさあ落ちるよ


訳わかんない甘いトリック

信じらんない深いホリック

煮崩れちゃってどうにもなんないくらい


逃げらんないようにくっつこうね

あせった顔ウケんね

ぎゅっと抱きついて離したくないな

観念してよね


Beep-beep, beep-beep

夜はまだ続くよ

街はパニック状態

恐怖とお菓子とで


Ding-dong, ding-dong

なんの音に聞こえる?

もっと深い状態へ

誘う魔法のトリガー


意識が揺れ動いて心地いいでしょ?

感じるままに身を委ねていようよ

痛くはしないよ

そう怖がらないで

楽しくなれ!

さあまた鳴らすよ


草も木も眠りだすと

なんか口さみしいの

おいしそうな

耳にかみついちゃうぞ


もっと弱いとこ探そうね

私でいっぱいにしようね

全然他になんも考えらんなくたって

問題ないよね?


不安はもう綺麗な飾りに変えて仮装して

慎重なままじゃ始まんないと思うから


進みたくないなら

そこのお菓子を出したっていいよ

……いいの?


まだ遊んじゃうよ All night

訳わかんない甘いトリック

信じらんない深いホリック

煮崩れちゃってどうにもなんないくらい


逃げらんないようにくっつこうね

あせった顔ウケんね

ぎゅっと抱きついて離したくないな


やがてこの夜が終わって

陽が部屋に差し込んで

そしたら私どうなっちゃうのかな?


まず最初に目があって

ふたりなんか笑って

きっともっとずっと幸せだよね!


きっとそうだよね

きっとそうだよね……?

きっとそうだよね!!


So Trick or Trick

 

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Trick or Trick (feat.初音ミク)[Music Video]

https://youtu.be/ABDTWVipYeY

 

Single “Trick or Trick (feat.初音ミク)”

2023/10/28より主要音楽ダウンロード・ストリーミングサービスにて配信開始

https://linkco.re/uSc7GSVZ?lang=en

♡^5

Love Love Love Love Love

この塩梅じゃトゥーマッチ?

左様な法はない ふわふわの恍惚感で

一切占領しちゃいたい次第


恨めしいくらいの晴れ

思考はどうも不鮮明

次会うまでの日数を

錠剤の減りようで勘定するの


なんであろうと歓迎しよう

アクアリウムもレイトショーも

あの腕に抱きつけりゃ

内容はひとまず問わない


甘い淡いホイップクリーム

粗い濃ゆいハンドドリップ

舐め取っちゃいましょうね

美味しいのを全部


Love Love Love Love Love

この塩梅じゃトゥーマッチ?

左様な法はない ふわふわの恍惚感で

一切占領しちゃいたい次第


Clap Clap Clap Clap Clap

ハッピーならってそう言うじゃん?

遠慮はいらんよ

くらくらに弛緩しちゃいそうな

深い度合いの酔いがなきゃいらんない


達観していたい

何もかも 動じないで

論文をものすくらいに


無理そうなら

反省も疑いも不能な愚昧さを頂戴


願いをよそに 車輪は動く

轟音に慄き 焦熱に煩悶し


んで、こう収斂すんの毎回

『もっと欲しゅうて堪んない』


薄いブラウンのワンデー

フロントインでこなすチェック

楽しいは必須条件じゃん

あざといも保証内


Love Love Love Love Love

この塩梅じゃトゥーマッチ?

左様な法はない ふわふわの恍惚感で

一切占領しちゃいたい次第


Clap Clap Clap Clap Clap

ハッピーならってそう言うじゃん?

遠慮はいらんよ

くらくらに弛緩しちゃいそうな

深い度合いの酔いがなきゃいらんない


おお愛でる目の湛える目は笑み

面する目は揺れる


Love Love Love Love Love

この塩梅じゃトゥーマッチ?

左様な法はない ふわふわの恍惚感で

一切占領しちゃいたい次第


Clap Clap Clap Clap Clap

ハッピーならってそう言うじゃん?

遠慮はいらんよ

くらくらに弛緩しちゃいそうな

深い度合いの酔いがなきゃいらんない


Love Love Love Love Love

おお、Loveよ


Love Love Love Love Love

おお、Loveを

 

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主要音楽ダウンロード・ストリーミングサービスにて配信中

https://linkco.re/sX5YS5SE

 

[Music Video]

https://youtu.be/D-Q4OwlKt4g

シュシュ

シュシュ

 

なでう幻惑已まんの?

催眠用にあつらえた五円玉硬貨のよう


感情膿漏し朦朧

損害の状況はさも眉間で喰らう裂傷かのよう


ふんわりゆるく結えんのがええ

折り目やらなんか付きゃあせん

無作為にものす壮観な書簡に捺そう落款を


変な都合のいい妄想を悔やみ

時効を望む尾籠な懊悩を

放任すんのは 情か無情か


シュシュ 着火 釈迦 雑感 絶佳

シュシュ 落下 圧巻 造花 誰何

シュシュ 借款 破戒 散開 旋回

シュシュ 擦過 艶歌 罪過 諦観


憂いやら児戯の化合の事例

水面の波紋のように展開し

柳眉に纏綿して


統制を為す優美なる手練は

なんか捕縄に転じ

矮小な身を閉口せしめんとしてんの


やりようで如何様にも

変容し得る様相は百面相

質感といい色といい柄といい

移り香なんかといい


触れようもないちゅうのに執拗に舞い

五感を席巻せらる現状は 幸か不幸か


シュシュ 着火 釈迦 雑感 絶佳

シュシュ 落下 圧巻 造花 誰何

シュシュ 借款 破戒 散開 旋回

シュシュ 擦過 艶歌 罪過 諦観


シュシュ 着火 釈迦 雑感 絶佳

シュシュ 落下 圧巻 造花 誰何

シュシュ 借款 破戒 散開 旋回

シュシュ 擦過 艶歌 罪過 諦観


シュシュ 着火 釈迦 雑感 絶佳

シュシュ 落下 圧巻 造花 誰何

シュシュ 借款 破戒 散開 旋回

シュシュ 擦過 艶歌 罪過 諦観


シュシュ 着火

 

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single "シュシュ"

 

Music Videoはこちらから

YouTube

https://youtu.be/T2aSUj3fhhw

 

主要音楽ダウンロード・ストリーミングサービスにて配信中

[Apple Music]

https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A5/1697150882?i=1697150883&l=en-US


[Spotify]

https://open.spotify.com/album/0gwrVJ7P0fx3CFpH0IIdSA

老妻

 白状すると、希死念慮がこれほど悲しいものだとは、思わなかった。これほど遣る瀬無いものだとは、知らなかった。起伏の波はあるにせよ、幼少の頃からずっと持ち続けていた感覚であり、その状態が普通だと思っていたし、それがどういったものか知ってもいるつもりだった。

 しかしこの頃、ある種伴侶のように連れ添ってきたそれの表情が、違って見えてきている。より正確にいえば、斜陽がそれの顔を紅く照らしだし、見慣れた鼻の形や唇の陰影のみならず、点々と散る染みや深い皺をも、私の瞳にはじめて映じ、ああ、ここまで来てしまったのだなと、深く思わせるような、そんな感覚である。

 畢竟、時が迫っているのだ。余裕がもうないのだ。私は間もなく、敗者としてこの世を去らねばならないのだ。せめて尊厳を根こそぎ狼藉され尽くす前に、決然と別れるべきなのだ。

 しかし、確かに今は悲しく感じるものの、あらためて考えてみればやはり良い点ばかりではないか。肉体の美醜に動揺することもないし、懐の貧しさをいいことに誰かに使われることもないし、頭の出来不出来も問題にならないし、成功も失敗もない。今現在の一切の悩みから、逃れ去ることができるのだ。そうしたら、悪い夢を見ていたのだと、全て忘れて、雲散霧消できるではないか。主体がなければ、あらゆる苦悩は帰属できない。素晴らしいではないか。

 だから、悲しいことではないんだ。辛いことではないんだ。幸せなんだ。受け入れるべきなんだ。

 序に社会も、どちらかと言えばそれを望んでいるだろうし。

自罰

 順調に生活している人々のことを、妬んだり、羨んだり、逆恨みしたりしないよう、自らを抑え込むのも、楽ではない。それらの感覚は、不作為的に生まれるものである。根が張られる度に、自分の肉ごと腕ずく引き抜くその痛さよ!穴ぼこだらけの土壌を眺むその虚しさよ!この期に及んで善人ぶろうとするこの浅ましさよ!呪っても、呪いきれない。すでに取り返しのつかないほど醜くなっているというのに。